クラニオセイクラルリズムの歴史

クラニオセイクラルリズム(Craniosacral Rhythm)は、頭蓋骨と仙骨、そしてそれらを結ぶ硬膜系を通して全身に伝わる微細な生理的リズムを指します。この概念は、20世紀初頭にアメリカの整骨医(オステオパス)**ウィリアム・ガーナー・サザーランド(William Garner Sutherland, D.O. 1873–1954)**によって発見されました。

サザーランドは、当時一般的に「頭蓋骨の縫合は成人では固定されて動かない」と考えられていた中で、頭蓋骨の縫合構造に可動性を見出しました。彼はその仮説を基に実験を重ね、「一次呼吸メカニズム(Primary Respiratory Mechanism, PRM)」という概念を提唱します。
これは、脳脊髄液(CSF)の動き、脳と脊髄を包む膜(硬膜系)、頭蓋骨の微細な動き、仙骨の運動、そして中枢神経系の自発的な活動が、独自のリズムで全身に影響を与えるという理論です。

その後、サザーランドの弟子であるロバート・フルフォード(Robert Fulford, D.O.)やジョン・E・アップレジャー(John E. Upledger, D.O.)らが理論と臨床を発展させました。
特にアップレジャーは1970年代に神経外科手術中、硬膜のリズミカルな動きを目の当たりにし、これを「クラニオセイクラルリズム(Craniosacral Rhythm)」と名付け、臨床的に体系化しました。
1980年代には、彼が設立したUpledger Instituteを通じて国際的に広まり、オステオパシーのみならずカイロプラクティック、理学療法、ボディワーク、エネルギー療法など多様な分野に影響を与えました。

今日では、クラニオセイクラルリズムは「脳脊髄液の拍動を感じ取り、身体の自然な自己調整力を引き出す繊細なタッチの技術」として、解剖学・生理学に基づいた臨床的アプローチとして世界各地で実践されています。

クラニオセイクラルの効能

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